第一章 理

あらゆる生命は世界を紡いでいくために存在している。あらゆる生命は他の生命を生かすことで、世界を紡いでいく、これを糧という。あらゆる生命に存在する意味があり、欠けても善い生命などなく、あらゆる生命が世界には必要な存在である。あらゆる生命が他の生命との縁を理解しながら糧を得て、糧に成りながら生きていくことが理である。

第二章 徳

形があり存在を感じることができるもの、これを生命という。このあらゆる生命は一つでは生きることができない。故に縁を理解しながら糧を得て、糧に成りながら生きているのである。あらゆる生命が尊いのは、存在しているだけで意図せずとも縁は結ばれ、糧に成ることができるからである。即ち、どんな生命にも役目があるということである。他の生命を生かすこと、これを糧に成るという。己の価値を理解して、己が為すべきことに真摯に向き合い、多くの生命の糧に成ること、これを徳という。己を理解すること、己の価値を成長させること、糧に成ること、これを徳を積むという。徳を積み、より多くの生命の糧に成ることは徳の高い行いであり、尊き行いである。故に尊き者は、尊敬と感謝を集めるのである。

第三章 心

生命の心は無常であり常に陰陽に揺らぎ迷い苦しみながら生きている。然し尊き者は陰陽の揺らぎが小さく迷い苦しんでいることがない。迷い苦しむことがないのは、豊かな心を保てているからである。
現実を鮮明に捉え、自然の中で己の生きる役目を見出すことで豊かな心に至る。豊かな心に至るには、悪欲を滅して何事にも依存することなく精神が孤独でなければならない。豊かな心に至ることで徳を積むことを真に理解する。豊かな心に至り、徳を高められる状態、これを豊かな在り方という。豊かな在り方を保てれば、一切の迷いがなくなり、何者にも崩されることのない、己だけの生となる。