世間では、自己肯定感とは良い感情を表す言葉として扱われています。しかし、自己を肯定するという意味を取れば自己の良い部分も悪い部分も認めるという意味ではないでしょうか。
悪いところだけを見つめれば当然心が落ちていくことは当たり前ですが、良いところだけを見つめても足を掬われ思わぬ失敗を招く原因になります。己の良いところも悪いところも見つめ自己理解を深めることで正しく道を歩んでいけるものです。曖昧に自己を理解することは己を破滅の道へ誘うものです。自惚れは悪欲の一つです。
自己の良い部分も悪い部分も認めることが自己肯定であり、自己のことを等身大以上に見積もることなく、また自己のことを楽観的に判断することもせず、今の自身に対して適切な研鑽に励むことが豊かな心への一歩です。
尊生道
覚理 怜良命念