心が不安定で、心がよく落ち込み陰に傾く人は、謙虚ではない人が多いです。

心を平常に保てる人間は、人間には是々非々があることを知っています。全てを一人でこなせるわけではありません。だからこそ自分は何が出来て何が出来ないのか探究しようという考えが常に働くものです。自分の善い部分、悪い部分を受け止めて次に生かそうとするものです。これは謙虚だからこそできることです。

しかし、心が不安定な人間というものは、自分の善い部分、悪い部分をそのまま受けることをせず過大して受け止めます。過大して善い部分を受け取り調子に乗り自分の等身大を見失う。過大して悪い部分を受け取り陰気で否定的な考えに陥る。常に自分のことを過大評価しているのです。過大評価された自分を否定されたことが許せないのです。それ以上は話を聞こうとしません。自分を修正する機会を逃すのです。

そのような人間に関わると自分の心を陰に落とす原因になることや知らず知らずに不徳に加担したりすることになります。善徳な行為をしているのに否定され続ければ誰でも心は不安定になり、悪いと分かっていても自分の意見を曲げて寄り添った結果が不徳に加担することもあります。

つまりこれはお互いに言えることなのです。善徳を推奨する者と悪を推奨する者では表裏一体です。だからこそ積極的に関わるべきではありません。

尊生道
覚理 怜良命念