「なぜ戦争が起きるのか」これは縮図にすれば簡単なことです。例えば仲の良い2人でいたらよほどのことが起きなければ何も問題は起きないでしょう。しかし、そこに一人加わり3人になるとどうなるでしょうか。新たな関係性が出来上がり今まで2人で保たれていたバランスは崩れるでしょう。バランスが崩れ仲違いが起きる。その規模を大きくしたものが戦争です。

2人だからこそ信頼しあえていたのです。信頼するという行為にはキャパシティがあります。ある3人になった時に関係性が悪化するのであれば、2人までがキャパシティだったということです。これはあなたのキャパシティが2人までという意味ではありません。あるグールプにおいての信頼しあえる人数のキャパシティが2人までだったということです。簡単な話、仲が悪いのに同じグループに所属させようとするから争いが起きるのです。

それでは何故、グループの人数が増えると関係が悪化する場合があるのでしょうか。人は、人と関わる時に自分の見せ方を多少なりとも変えるものです。一人十色とも言います。2人グループつまり1人とだけ関わっている時はその人に合わせた面を見せていると思います。しかし3人グループになればあなたは2つの面を見せることになるでしょう。逆にあなたも相手の知らなかった面を新たに見ることになるでしょう。この見せた見せられた面が受け入れられなかった時に関係性が悪化して行くのです。身近でよくある話にしたらわかりやすいと思いますが、例えば学生の頃に学年が上がったことでクラスが変わり仲の良い友人が増えグループの人数が増えたことで居心地が悪くなったなと感じたことはありませんか、また、結婚して子供が産まれて3人のグループになった時に思っていた関係と違うと感じたことはありませんか、また、職場で新しい同僚が増えたことで職場の人間関係がギクシャクし始めたことはありませんか。信頼関係というものは意外にも人数を増やすことであっさり崩れてしまうものなのです。

信頼できるキャパシティの限度を超えてグループの人数を増やそうとしたり、そもそも信頼していない人をグループに入れようとするから争いに発展してしまうのです。人が人を信頼してお互いを受け入れることができれば争いが起きることはありません。

尊生道
覚理 怜良命念